088）料理の魔法<You side> ページ37
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何とか役に立てないものかと、安藤様についての資料を読あさってみても、特別めぼしいものは見つけられず
何のために自分はここに来たのか、すっかり自信もなく無くなってしまって。
《いらっしゃいませ。チョン様。お待ちしておりました。》
待ち合わせのレストランで迎えてくれたのは、私達と同世代位の若い男性で、想像していた状況と全然違うことに皆戸惑いを隠せなかった。
通されたテーブルには、もうナフキンやカラトリーがキレイに設置してあって。
A「素敵なお店ですね。」
ドンヘ「さっきからうまそうな匂いが…」
朴「でも…従業員は彼しかいないんでしょうか？」
そう言えば、店の中には彼しか見当たらない。
不思議に思ってキョロキョロしていると、店のドアが開いた。
安藤「お待たせしてしまって…」
安藤様の登場に私達は一斉に立ち上がった。
安藤「思ってたより道が混んでて。待たせてしまったかな？」
ユンホさんの隣に座った私は、安藤様の言葉を通訳する。
ユノ「いえ。私たちも今着いた所です。」
ひとりひとり挨拶をしながら安藤様と握手を交わした。
安藤「Aさん、久しぶりだね。こんな所まで呼びつけてすまなかった。」
A「いえ。日本に帰るのは本当に久しぶりなので。呼んで頂いてありがとうございます。」
安藤「さぁ。カタい話は後にしてまずは食事しよう。」
タイミングを見計らったように、先程の男性がオードブルを運んできた。
「安藤さん、皆さんお待ちかねでしたよ。」
眩しい位の笑顔で安藤様に話しかける。
安藤「すまなかったな。今日は宜しく頼むよ。」
親子ほどの年の差のふたりは、とても親しそうで
確か、安藤様に息子さんは居なかったはず。
安藤「彼の料理は絶品だよ。仕事の事は忘れてまずは楽しんで。」
安藤様の言う通り、�猗爿瓩領鼠�は本当に美味しかった。
上手くは言えないけれど…
暖かい気持ちになる。
ドンヘ「これ、最高にウマイ！俺、セロリ嫌いな筈なんだけど！」
朴「このスープも絶品ですよ！」
ユノ「本当だな！」
自然に会話が始まる。
さっきまでのピリピリした空気が嘘のように、それぞれが料理を楽しんだ。
どこまで通訳すればいいんだろう？(笑)
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作者名：mari
| 作成日時：2018年1月31日 23時
