086)遭遇<YN side> ページ35
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安藤様を説得するための材料は結局見つからず、ドンへと二人で肩を落とした。
ドンへ「なぁ…もう何もかも黙ったまま契約しちまうわけには…」
ユノ「それだけは絶対にしない。」
そんな事をして、いずれ安藤様に迷惑をかけるくらいなら潔く契約は諦めるさ。
ドンへ「Aさんとの約束の時間だ。行こう。」
出来ればドンへも、巻き込みたくなかった。
契約失敗となれば、会社からは責任を問われる。
俺たちは手早く必要書類をまとめて、Aさんと待ち合わせたロビーへと向かった。
エレベーターを降りて足早にロビーのほうに歩いていくと
ドンへ「あ、Aちゃん?」
ドンヘの視線の先には確かにAさん…と男ふたり。
細身で長身の若い男と中年の男。
親しげに話しているように見えて、何だかちょっと腹が立つ。
Aさんが日本に知り合いが居たからと言って不思議はないのに。
ドンヘ「あれー?あいつ、キム・ジェジュンじゃ…」
ユノ「え?お前の知り合い?」
ドンヘ「何言ってんだよ!我が国を代表する歌手だぞ(笑)日本でもデビューして人気あるらしいな。妹がファンなんだよ。」
ユノ「…」
ドンヘ「お前、芸能人とか興味無さそうだもんな。兵役の時に来てくれたガールズグループも知らなかったくらいだし(笑)」
《彼は…華やかな世界の人なので…滅多に会えないんですけど…彼の一番でいられる自信が無かったから…》
初めてAさんにあった日。
Aさんが言っていた事が頭をよぎる。
ユノ「まさか…な。」
Aさんの職業柄、芸能人の知り合いがいても不思議は無いし
キム・ジェジュンさんがAさんの元彼だと決まった訳じゃない。
手を振って男二人を見送るAさんが見えて
ユノ「行こう。」
俺たちはAさんのところには行かずに、約束したロビーで待つことにした。
豪華なソファに座ると直ぐに一旦会社に戻っていた朴さんもやって来て、
A「遅くなってすいません!」
Aさんも合流してそのまま打ち合わせを開始した。
それから一時間ほど朴さんとAさんに厳しい状況であるという事を話した。
朴「思っていたより厳しそうですね。心してかかりますよ。」
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作者名:mari | 作成日時:2018年1月31日 23時