063)兄貴の予備<YN side> ページ13
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ユノ「それで?俺にそんな話をしてどうするつもりなの?」
ソヨン「…」
ユノ「確かに家同士の繋がりも大事だろうけど、結婚は二人の意思だろう?兄貴に言いたい事があるなら兄貴に言えばいい。俺に言うのは間違ってる。」
ソヨン「ユノは…あの人の事が好きなの? レストランで会った…Aさん?」
ユノ「ソヨンには関係ない。」
ソヨン「…」
ユノ「話はそれだけ?ソヨン、マリッジブルーなんじゃないのか?不安な事があるなら、兄貴と良く話し合えよ。」
ソヨン「ひどいよ…ユノ。昔はもっとちゃんと話を聞いてくれたのに。あの人が…Aさんが好きなんだね…」
ユノ「だったら?ソヨンは兄貴が好きで結婚を決めたんだろう?俺が誰を好きになろうとソヨンには関係ない…」
ソヨン「もういい!」
話を遮るようにして、ソヨンは声をあらげた。
ソヨン「ユノ。変わっちゃったね。それもあの人のせい?」
ユノ「ソヨン。確かに俺はずっとお前が好きだった。でも前に進むって決めたんだ。」
ソヨン「…」
ユノ「お前まで俺を兄貴の予備にするのか?」
ソヨン「そんなんじゃ…」
ユノ「お前はもうすぐ俺の家族になる。本当の妹になるんだよ。妹としてお前をこれからも愛するし大事にする。でも俺を兄貴の予備にするのはやめてくれないか?」
ソヨン「…」
ソヨンは俯いたまま黙って部屋を出ていった。
ユノ「はぁ…」
ベッドに腰掛けて携帯の画面を見つめた。
ソヨンにとってもおれは兄貴の予備。
わかってはいたけど、実際に口に出してみると空しくて。
Aさんに会いたい。
声だけでも聞きたい。
Aさんの連絡先を何度も画面に表示させては消すを繰り返す。
押してしまおうかと思っては、もう夜遅いからとか、用事が無いとか色々な理由をつけて踏みとどまって。
最終的に俺はドンへの連絡先のボタンを押したんだ。
ユノ「ドンへか?こんな時間に悪いな。飲みに行かないかと思って。」
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作者名:mari | 作成日時:2018年1月31日 23時