055）彼と2<You side> ページ5
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カン「Aさん。単刀直入に聞きますが、ジェジュンと何かありましたか？」
A「ジェジュンに何か…何かあったんですか？」
カン「クリスマスの翌日…新曲のレコーディングだったんですが…あいつ、歌えなかったんです。」
A「え？」
カン「いや、本人は必死で歌おうとしてたんですが…上手く声が出ないというか…」
A「…」
カン「スタジオに来た時にはすっかり憔悴していて…結局その日は録れずに延期になりました。」
A「…」
カン「クリスマスの日、Aさんと会ってましたよね？それで何かあったのかと。」
終わりにしたいとジェジュンに告げた次の日の事だ。
プロ意識の高いジェジュンがレコーディングをキャンセルするなんて今まで一度も無かったのに。
A「それで…今、ジェジュンは…」
カン「休ませてます。表向きには体調不良という事で。何を聞いてもあいつ、話さないんです。何があったかご存知ですか？」
カンさんはじっと私の目を見る。
A「もう…終わりにしようと言いました。私から…」
カン「…別れたということですか？」
A「もうずいぶん前から、ジェジュンにとって私はもう必要のない人間でしたから…」
熱いものがこみ上げてくる。
カン「Aさん。本当にそう思ってますか？」
A「…」
カン「あいつ。1ヶ月くらい前に女の子とスクープされたでしょ？信頼していた友人にはめられたそうです。」
A「え？」
カン「華やかなように見えて、足の引っ張りあいなんですよ。この世界。あの騒ぎのせいで、ドラマの主役の話が無くなりました。」
A「そんな…」
カン「…これ、今度の新曲のデモテープです。ジェジュンが作詞しています。聞いてみてください。」
カンさんが出ていった会議室で、デモテープを持ったまましばらく茫然としていた。
Pull Pull Pull …
仕事用の携帯が鳴って、見るとﾁｬﾝﾐﾝからのメール。
《車で待ってます》
すぐ行くと返信をして、部屋を出た。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年1月31日 23時
