081)胸の痛み<You side> ページ30
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ボーイさんが運んでくれた荷物を部屋の隅っこに移動する。
A「それにしても…広すぎる…」
出張で泊まる部屋なんで、せいぜいお風呂がちゃんとあればいいかなんてレベルの部屋が普通なのに。
《俺の兄貴とソヨンとの結婚話が進んでいる。実は…俺はうちの会社の創業者の家系で…現社長の息子なんだ。》
あの時。
何だか急に寂しい気持ちになったのは、ユンホさんとの間に距離を感じたから?
それとも
ユンホさんはまだソヨンさんを愛しているんじゃないかと思ったから?
A「…」
一般人の私には到底わからないけれど
家同士の繋がりの為の縁談でソヨンさんを諦めなくてはいけなかったんだとしたら
本当は、ソヨンさんの好きな人はユンホさんだったとしたら
二人は愛し合っているって事だよね。
ツキン…
また胸の奥が痛くなる。
♪〜
鞄に入れっぱなしにしていたスマホが鳴った。
A「ジェジュン?」
あれからジェジュンは時々、滞在している町の風景の写真を送ってくる。
そう言えば今、日本にいるって。
スマホを取り出して画面を見ると、やっぱりジェジュンからLINEが届いていた。
《撮影中!》
貼られていた写真にはレトロな雰囲気の公園と野良猫ちゃん。
A「プッ! ジェジュンの撮影じゃないの?(笑)」
最大限に屈んでこの写真を撮影しているジェジュンの姿を想像して思わず吹き出した。
そうだ!
私はスマホのカメラのスイッチを入れて、東京の景色の写真と豪華な部屋の写真を撮った。
《出張中!》
それだけ書いてLINEで送る。
前回の写真はおにぎりだったから、それに比べたらセンスいいはず!
直ぐに既読がついて、10秒もしないうちに電話が鳴った。
A「もしもし?ジェジュン?」
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作者名:mari | 作成日時:2018年1月31日 23時