048）君の口から聞きたい1<YN side> ページ48
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ユノ「ソヨン…どうしてここに？」
偶然か？それとも…
ソヨン「どうしてって？私達ここの常連じゃない？おかしなユノ(笑)」
まるでAさんを挑発するような言い方だ。
ソヨン「こちらは？」
ユノ「今日、大切な接待の通訳をしてくれたんだよ。御礼に食事に誘ったんだ。だから邪魔をしないでくれないか？」
好きな人がいるとそう言ったからか、あきらかに勘ぐっているソヨン。
ソヨン「通訳？日本の方？」
あからさまに日本人を嫌悪する言い方をして。
A「あの…私はこれで…チョンさん、御馳走様でした。とても美味しかったです。」
俺の顔も見ずに荷物とコートを持って立ち上がり、頭を下げて出口へ向かった。
ユノ「Aさん、待って！」
俺も慌ててコートを持って追いかけようとすると
ソヨン「待って、ユノ。話があるの。」
ユノ「話ならまたにしてくれ。」
ソヨン「好きな人って…まさか彼女なの？」
すがるような目で俺を見る。
ユノ「…」
ソヨンの質問には答えずにAさんを追った。
ユノ「待って、Aさん。」
出口で追い付いた俺は少々強引に
ユノ「送るよ。」
裏の駐車場に停めた車までAさんの手を離さなかった。
ユノ「乗って？」
助手席に乗せたはいいものの、会話が続かない。
ユノ「…デザート食べ損ねちゃったね。もう少し付き合って貰ってもいいかな？」
A「…はい。」
車を発信させて静かに話ができる場所に向かった。
クリスマスなら恋人同士でいっぱいになるだろう夜景の綺麗な丘。
今日はほとんど人がいなくて。
ここなら静かに話が出来る。
ユノ「さっき…前に進めたのかと僕に聞いたよね？」
A「はい。」
ユノ「Aさんはどう？前に進めた？」
どうしても聞きたかったんだ。彼女の口から。
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作者名：mari
| 作成日時：2017年12月26日 0時
