047）怪我の原因<You side> ページ47
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コートと鞄を持って足早に出口に向かう。
ユノ「待って、Aさん。」
腕を捕まれて振り返ると、そこにはチョンさんがいて
ユノ「送るよ。」
そう言って手際よく会計を済ませ、私の手を引いて外に出た。
A「チョンさん、あの…」
ユノ「ごめん。嫌な思いをさせた。」
A「いいんですか？彼女は話がしたかったんじゃ…」
ユノ「いいんだよ。僕はAさんと食事に来たんだ。それにもう彼女とは…」
A「…」
ユノ「ああ…終わるどころか始まってもいなかったな。」
チョンさんが自嘲ぎみに笑った。
駐車場に停めていた車に乗り込む。
何を話していいのかもよくわからなくて車の中は静寂に包まれた。
ユノ「…デザート食べ損ねちゃったね。もう少し付き合って貰ってもいいかな？」
A「はい…」
15分ほどすると、車はソウルの夜景を見渡せる小高い丘の上にいた。
ユノ「さっき…前に進めたのかと僕に聞いたよね？」
A「はい。」
ユノ「Aさんはどう？前に進めた？」
A「…」
ユノ「…」
ハンドルに片手をかけて、チョンさんの目が真っ直ぐに私を見る。
A「次の日…会いました。彼に。」
ユノ「うん…」
A「きちんと話をしようと思って…」
ユノ「…」
A「でも、冷静に話せなくて…」
ユノ「その怪我は彼が？」
A「いえ！それは違います！これは、私が勝手に！」
そうか。チョンさんは心配してくれていたんだ。この怪我の原因を。
ユノ「そう。なら良かった。暴力を振るわれたのかと…」
A「すいません。心配をかけてしまいました。」
チョンさんは安心したのかフッと息をついて
ユノ「敬語はやめようって。それにチョンさんも。」
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048）君の口から聞きたい1<YN side>→←046）ユノさんの想う人<You side>
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作者名：mari
| 作成日時：2017年12月26日 0時
