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046)ユノさんの想う人<You side> ページ46

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A「よく来るんですか?このお店。」





ユノ「んーまあ、さすがに男一人じゃあ来ないけどね。」







ずっと想い続けてきた彼女と来ていたんだろうな。男性同士で来るような店じゃないし。




聞いてもいいものか少し悩んだけれど、思いきって聞いてみた。








ユノ「うん。正直会社では毎日顔を会わせてるんだけど、気持ちの整理はついたよ。」







チョンさんは強いな。おそらく一旦決めたらそれを貫く意志の強さを持っている。


わたしとは…大違いだ。







ユノ「ね…Aさん何歳?」



A「え!?にじゅう…はち…ですけど…」





ユノ「僕たち同い年だ。」




A「えっ!?ゲホッ!ゴホッゴホッ…」



飲みかけのお水を喉に詰まらせた。






…ビックリした。


あの日の気遣いも大人の振る舞いも本当にスマートで。



渋めのスーツを着こなすチョンさんは本当に落ち着いて見えたから。






あ、でも。



さっきのドンヘさんとのやりとりはなんだか可愛かったな。




あれが本当のチョンさんなのかもしれない。







ユノ「じゃあ、敬語はやめよう。名前もチョンさんじゃなくてユンホって呼んで?ユノでもいいよ。」




ユンホさん…


ユノさん。





同じ歳だとわかったら一気に親近感がわいてきて





A「じゃ、ユノさ…」

《ユノっ!》





呼び掛けたところを被せるようにチョンさんの名前を呼ぶ女性の声。




声のする方を見ると、長身でモデルのように美しい人が立っていた。







ユノ「ソヨン…どうしてここに?」




ソヨン「どうしてって?私達ここの常連じゃない?おかしなユノ(笑)」





明らかに敵意のある視線で私をじっと見ていた。





ソヨン「こちらは?」




ユノ「今日、大切な接待の通訳をしてくれたんだよ。御礼に食事に誘ったんだ。だから邪魔をしないでくれないか?」




ソヨン「通訳?日本の方?」




韓国語でも棘のある言い方は私でもわかる。





そして、この人がチョンさんの片思いしていた人だとわかってしまった。






A「あの…私はこれで…チョンさん、御馳走様でした。とても美味しがったです。」





慌ててコートと荷物を持って立ち上がる。



ふたりの仲がどうであれ、私はここにいるべきじゃない。







ユノ「Aさん!待って!」




チョンさんの顔もまともに見ないまま、大きく頭を下げて出口に向かおうと歩きだした。




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作者名:mari | 作成日時:2017年12月26日 0時

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