045)ユノって呼んで<YN side> ページ45
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A「うん。美味しいです!このパスタ!」
ユノ「でしょ?小さな店だけどウマイんだ。ほんとうはワインが美味しいんだけどね。怪我もしてるし熱が出たら困るから。ワインは次にしよう。」
なんて。
次の約束を取り付けようとする自分が可笑しかった。
A「よく来るんですか?このお店。」
ユノ「んーまあ、さすがに男一人じゃあ来ないけどね。」
A「…」
Aさんが黙ってしまい、言ってしまってから、しまった!と気がつく俺はバカだ。
A「あの…チョンさん…あの時は本当に…ごめんなさい。黙って帰ってしまって…」
ユノ「ああ。でもモーニングコール頼んで行ってくれたでしょ?おかげで寝坊しなくてすんだ。」
本当はずっと起きていたんだけどね。
A「チョンさんは…先に進めたんですか?その…あの時待ち合わせしていた人とは…」
ユノ「うん。正直会社では毎日顔を会わせてるんだけど、気持ちの整理はついたよ。」
A「そうですか…良かった…って言ってもいいのかな?」
ユノ「僕の中ではスッキリしてる。Aさんのお陰だよ。」
A「私は…迷惑かけただけで何も…」
ユノ「迷惑なんて何もかけられてないけど。でもAさんが気になるなら、今日のことでチャラにしよう?いい?」
A「…はい。」
ユノ「ね…Aさん何歳?」
A「え!?にじゅう…はち…ですけど…」
ユノ「ホントに!?何月生まれ?」
A「9月です。」
ユノ「僕たち同い年だ。」
A「えっ!? ゲホッ!ゴホッゴホッ…」
ユノ「驚きすぎだよ(笑)僕、そんなに老けてる?ちょっと傷ついた…」
A「や…落ち着いて見えたから?老けてるとかそんなんじゃ…」
ユノ「じゃあ、敬語はやめよう。名前もチョンさんじゃなくてユンホって呼んで?ユノでもいいよ。」
ちょっと強引だったか?
でも急に近づいたふたりの距離が嬉しかった。
A「じゃ、ユノさ…」
《ユノっ!》
聞き覚えのある声がした。
ユノ「ソヨン!?」
今、最も会いたくない人がそこに立っていた。
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作者名:mari | 作成日時:2017年12月26日 0時