035)白い天井<You side> ページ35
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ジェジュン「お前も他の奴らと同じなのかよっ!俺は認めない。絶対に別れない!」
A「…っ」
そのままソファーに倒されて、両腕を押さえつけられたままキスをされる。
感情に任せて貪るような激しいキス。
A「んっ…やっ…ジェジュン!やめてっ!」
ありったけの力で押し返そうとするけれど、鍛え上げられたジェジュンの力に敵う訳がない。
ジェジュンの唇が耳朶に、首筋にと落ちていく。
A「やめ… …っく…ジェジュン…」
ジェジュンの部屋の真っ白い天井がぼやける。
あの時に二人で見た桜色に染まった部屋はもうここには無い。
A「…う…うぅ…」
ジェジュン「A…」
私の力が急に抜けたからか、ジェジュンの腕の力も抜けた。
その時
私の鞄の中でスマホの着信音が鳴った。
榊さんだ。
私に馬乗りになっているジェジュンを押し退けて、電話にでようとテーブルに手をついた時
A「痛っ…」
倒れて割れたシャンパングラスの破片が手のひらに刺さった。
ジェジュン「Aっ!大丈夫か!?」
慌てて私の手を確認しようとするジェジュンを振り切って、鞄を持って出口に走った。
ジェジュン「A!待って!」
ジェジュンの声を背中に聞きながら、その階で止まっていたエレベーターに飛び乗る。
頭の中が真っ白になって
消えてはまた鳴る携帯を抱えたままマンションの裏口へ急ぐ。
走るように通り抜けて大通りまで急いだ。
pull pull pull…
数分おきに鳴る仕事用の電話。
榊さんからだ。
泣いていた事がわからないように、息を整えて電話に出た。
A「もしもし…」
榊「おい。どうした?外に居るのか?」
A「はい…ちょっとコンビニに…食べるもの何もなくて…」
電話を持つ手がズキズキと痛む。
榊「だったら先に言えよ。帰りに寄ってやったのに。夜はひとりで外に出るなって言っただろ?」
ツキン…
思いもしなかった榊さんの優しい言葉に罪悪感でいっぱいになった。
榊「明日の接待なんだけどな。お前ひとりでも大丈夫だろ?俺は急に別の打ち合わせが入った。」
A「…キムさんですよね?大丈夫ですよ。おそらく美味しい日本料理が食べたいだけですから。」
榊さんとの電話を切ってタクシーに乗り込んだ。
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作者名:mari | 作成日時:2017年12月26日 0時