033）好きな人<YN side> ページ33
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ソヨン「ユノ…起きて。ユノってば。」
ああ…
体が痛い。
誰かに体を揺すられて眠い目をこじ開けると、目の前にはソヨンが立っていた。
そうだった…
昨夜は酔ったソヨンを迎えに行って、やむを得ず家に連れてきたんだった。
ユノ「おはよう…調子は？」
ソヨン「どうしよう…無断外泊なんて、お父様に叱られる…」
ユノ「…そんなの兄貴と居たことにすればいいだろ？子供じゃ無いんだし。」
ソヨン「ジニョクオッパと一緒に泊まった事なんて無い…」
ソヨンの顔は嘘を言ってるようには見えなかった。
ユノ「…だいたい。なんであんなに呑んだんだよ。俺が電話に気がつかなかったらどうするつもりだったんだ？先輩にも迷惑をかけて。」
ソヨン「…ユノなら…絶対に来てくれると思ってた…話がしたかったの。」
ユノ「話ならもう済んだだろ？俺達はもうただの幼馴染だ。ソヨンが兄貴と結婚したら俺は義理の弟になるだけ。それだけだよ。」
目の前のソヨンがだんだん小さくなっていく。
兄貴を選んだのはソヨンだろ！
喉元まで出かかった言葉を必死で抑えていたのに
ソヨン「ユノ…好きな人が居るの？」
ソヨンの問いかけに
ユノ「…そうだよ。俺には好きな人がいる。」
そう答えてしまっていた。
※
※
※
ソヨンを送る車の中はお互いに無言で。
結局、ソヨンの友人の家まで送ることになった。
ユノ「じゃあな。気をつけて帰れよ。」
ソヨン「…」
ソヨンを下ろしてそのまま会社へとむかう。
兄貴からの折り返しの電話も無い。
ユノ「…そうだよ。俺には好きな人がいる。」
いざ口にしてしまうと、どうにも抑えがきかなくなって、頭の中がまりさんで一杯になってしまう。
この先、会えるかどうかもわからない人に。
駐車場に車を停めると財布からお守りを抜き出して
ユノ「Aさん…会いたい。」
こんな事で本当に会えるなら何度でも口にしてやるけど。
そんな事を考えていたら、隣の駐車スペースに見慣れた車が入ってきた。
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作者名：mari
| 作成日時：2017年12月26日 0時
