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024)それが誰なのか<You side> ページ24

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榊「おつかれ。よく出来てたぞ。打ち合わせの資料。」




韓国の大手プロダクションとの打ち合わせを終えた帰りの車中。






A「ありがとうございます。」




榊「お前がこんなに韓国に馴染むなんてな。ここに来た頃は毎日泣いてたのに(笑)」




A「ちょっ…!笑いごとじゃありませんよっ!どんだけ辛かったか!」





榊「わかってるよ。お前はホントによく頑張った!だから会社もそれを認めて、その若さで主任になったんだろ?」





A「主任になったってここには榊さんと私しかいないんだから!ずーっと下っ端には変わりないじゃないですか!」




榊「あー、それな。どうやらひとり入るらしい。良かったな。万年幹事脱出だ。」




A「えっ?本当ですか?日本から誰か?」





榊「いや。日本語ペラペラの韓国人だそうだ。大学で日本に留学してうちの会社に入社して。」





A「へぇー!楽しみですね!仲良く出来るかなぁー!」









珍しく渋滞していなかったせいか、榊さんの強気の運転のせいか、あっという間に私のマンションの下に到着。




A「お疲れ様でした!ありがとうございました!」




榊「じゃーな。明日はゆっくり休め。」



A「榊さんも。」






韓国に来たときには榊さんも会社が借りたこのマンションに住んでいたけれど




「俺、高いところ無理。」





そう言って少し離れた一軒家に引っ越して行った。







A「後輩ちゃん、可愛い子だといいけどなぁ…」




榊さんのクルマを見送って、ブツブツひとり言を言いながらエントランスを目指す。





エントランスで使うカードキーを探してごそごそポケットを漁っていると




後ろから来た大きな影にグイッと腕を引っ張られた。







A「キャ…」




咄嗟に出た大きな声は途中で喉に吸い込まれた。






すっぽりと頭まで被ったフード。


大好きだったこの香り。





それが誰なのかすぐにわかってしまったから。







A「ま、待って!」



私の声なんてお構い無しに、私の腕を引いたままズンズンと歩いていく。




マンションの裏に停めてあった車のキーを開けて、助手席を開くと少し手荒に私を座らせシートベルトをつけた。




そのまま自分も運転席に乗り込んで車を急発信させた。




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作者名:mari | 作成日時:2017年12月26日 0時

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