012)抱きしめたい2 <YN side> ページ12
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A「本当は私…劣等感でいっぱいなんです。実はもう1年以上前から彼にとって私は都合のいい女だって気が付いてました。」
ユノ「…」
A「でも…なかなか気持ちに踏ん切りをつけられなくて…バカですよね…ほんとに…」
そう言ったまま、俯いてしまったAさんに、たまらず声をかけた。
ユノ「僕もね…どんなに思っても振り向いてもらえない人がいたんだ。子供の頃から。」
A「それって…もしかして今日待ってた?」
ユノ「そう。その人は…僕の兄の婚約者。」
A「えっ?!」
ユノ「幼馴染だったんだ。僕は子供の頃から彼女が好きで。でも彼女はずっと兄貴の背中を追ってた。」
A「…」
ユノ「なんども諦めようとして。無理矢理彼女を作ったりしたけどやっぱり駄目で。」
A「…」
ユノ「だからね。踏ん切りつけられなかったのはAさんだけじゃない。僕だって何年も片思いしていた情けない男だよ。」
A「チョンさん…」
ユノ「自分をバカなんて思うのは止めよう? それにAさんは魅力的な人だよ。もっと自信を持っていい。」
そうだよ。
僕は最初からAさんに見惚れてた。
健気に彼を待つ姿に。
A「…」
ユノ「…」
お互いの目を見つめあう。
視線がそらせない。
体が勝手に動いてた。
頬に手を添えて、泣きすぎて少し腫れたAさんの瞼にキスをした。
そのままゆっくり降りて可愛らしい鼻に
プクッと盛り上がったピンク色の唇に。
触れるだけのキス。
A「///」
ユノ「クリスマスイブを嫌な思い出にするの止めよう?辛い恋は今日でおしまいにしよう?」
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作者名:mari | 作成日時:2017年12月26日 0時