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011)抱きしめたい1 <YN side> ページ11

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ユノ「Aさん?大丈夫?」



余計な事を言ってしまったかもしれない。



目の前で涙を流すAさん。








A「ごめんなさい…」




ユノ「Aさん…」




A「本当にごめんなさい…」





俯いてしまったAさんの肩を抱いて部屋の中に足を踏み入れた。




静かに閉まる扉。




そのままそっとAさんを抱きしめた。








ユノ「いいよ…たくさん泣いて。僕の胸で良ければいくらでも貸すから。」




A「…う…うぅぅ…っっ」


ユノ「よしよし…」




声を殺して泣き続けるAさんの背中をしばらくさすり続けた。





















ユノ「落ち着いた?」


A「はい…」



ユノ「座ろう?水を飲んだ方がいい。たくさん泣いたから干からびちゃう!」





A「え?プッ…」




ユノ「なに?僕何か面白いこと言った?」



A「いえ…(笑)」







冷蔵庫にあったミネラルウォーターをAさんに手渡した。





A「チョンさんって、気持ちを真っ直ぐに言葉にする人なんですね。」




ユノ「そう?せっかちだからかな?(笑)でもみんなそうじゃない?」





A「そんなこと…ないですよ。彼は…今日会うはずだった彼は何も言ってくれません。」




ユノ「…」





A「いつも先回りして彼の気持ちを考えてあげないとって…そんな事に疲れてしまったのかもしれません…」




ユノ「そっか…」






A「彼は…華やかな世界の人なので…滅多に会えないんですけど…彼の一番でいられる自信が無かったから…」




ユノ「そんな…一番とか二番とかって…」




A「本当は私、劣等感でいっぱいなんです。実はもう1年以上前から彼にとって私は都合のいい女だって気が付いてました。」




ユノ「…」




A「でも…なかなか気持ちに踏ん切りをつけられなくて…バカですよね…ほんとに…」




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作者名:mari | 作成日時:2017年12月26日 0時

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