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016)ありがとう<You side> ページ16

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ユノ「…Aさん…いい?」



目の前にはチョンさんの顔があった。



声が出なくて、コクコクと頷くと、チョンさんはそっと私のおでこにキスをした。






大きな手で腰を抱かれて






A「んっ、ああっ…」

ユノ「うっ…」



二人同時に声にもならない声が出る。





チョンさんの熱いものが私の中にゆっくりと押し入ってきて、電流が走ったように足先までが痺れた。




ユノ「ごめん、Aさん。大丈夫?」




A「は…はい。」








それからはよく覚えていない。



チョンさんがゆっくりと動く度に快感が押し寄せる。



たまらず出てしまいそうになる声をキスで塞がれて




何度達してしまったのか、いつ気を失ったのかもわからないほど。








それでも




まるでこわれものを扱うように優しく抱いてくれるチョンさんがとても温かくて




幸せで涙が止まらなかったことは覚えてる。





















う… どうしよう…



チョンさんの腕の中で目を覚ましてから、どのくらい経ったんだろう。




がっちりと抱かれているせいで、二人とも裸だってことは嫌でもわかる///







今、何時だろう?


会社に行かなくちゃいけないし、一度帰らないと服も無いし。



チョンさんだって明日お仕事なんじゃ?



ここは起こすべきなのか?


でも何て言ったらいいのか?


どんな顔したらいいんだろう?





わー めっちゃ恥ずかしい!!







ユノ「うーん…」



そんな事を考えていたら、私をホールドしていたチョンさんの手が緩んだ。



寝返りをうって反対側を向いた。






と…とりあえず、服!




チョンさんを起こさないようにそーっとベッドから抜け出すと、ベットの下に散らばっていた服を着る。




チョンさんの脱いだ服も畳んで、スーツはハンガーにかけた。






時計を見ると5時20分。



外はまだ暗いけど、大きなホテルだしタクシーはいつもいるだろう。




部屋に備え付けのメモ帳に書き置きを残した。







【ありがとう】とだけ。





チョンさんの連絡先も知らない。



私の連絡先も残さない。




チョンさんの負担になりたくないから。








クリスマスイブの夜にお互いの相手にフラれて、一夜を過ごしたふたり。




もしまたどこかで偶然会うことがあったなら






その時はお互いに恋人がいない男と女として、会えるだろうか?





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017)彼が残したもの<You side>→←015)抱いて欲しい<You side>



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作者名:mari | 作成日時:2017年12月26日 0時

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