あなたがやっぱり好きでした 2【N.K】 (ページ39)

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見惚れるページ39

「っていうかさ」

二宮くんがそう言いながら

ぐいっと近づいてくる。

「俺ら。大変だねえ?」

そう配られたプリントを覗き込んだ。

「え、私たちが?大変?」

どういうことだ

慌ててプリントに目を走らせると

「ここここ」

一番下の

『練習スケジュール』

って欄を指差して教えてくれた。

二宮くんの手。

ちっちゃい子供みたい。

少し丸っこくて

ぷっくりしてて。

…いけないいけない。

手に見惚れてる場合なんかじゃない。

これからは舞台を通じて

一緒にいる時間も増えるだろうし

その度に

こんなガン見なんてしてたら

好意を抱いてることが即バレだ。

「うわ本当だ」

さされたところに目を通すと

思わずそんな言葉とともに

ため息がもれる。

なんせ

二宮くんと私はほぼ毎日

その日の練習メンバーの一覧に

名前が入ってるんだから。

主役ってこともあって

ほとんど毎シーンにでるからだろう。

これからはは放課後が忙しくなるんだなあ。

「あーあ私のフリータイムよさようなら」

呟いたら

「何言ってんのよ今更」

おかしそうに二宮くんは笑った。