あなたがやっぱり好きでした 2【N.K】 (ページ34)

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大事なことページ34

沸き起こる拍手は

なかなかやまない。

これは

誰に向けてのもの?

隣を見ると

櫻井くんも

松本くんも

二宮くんまでもが

笑顔で手を叩いていた。

少し

拍手がまばらになってくると

「わかったでしょ?」

またまた得意げな表情で

櫻井くんは皆を見回した。

…どういうことだろう。

私の心の中の

疑問にこたえるように

櫻井くんは話しだした。

「男子ではオーディションの順番、ニノがラストだったの」

そういえばそうだったな。

松本くんも言う。

「めっちゃピンときたてね、彼。

セリフもダンスもうまいし。歌ももちろん」

「そりゃあ個々でやって上手いのは大前提なんだけどさ。

やっぱりデュエットする美女と野獣は、

二人の歌声の相性もいい人を選びたかったわけで」

示し合わせたように交代で話して

説明してくれる二人。

おぼろげながら

話の輪郭が

見えてきたような気がする。

「言ってなかったんだけどね?誰にも」

そこで二人は

顔を見合わせて

いたずらっ子のように笑った。

「言っていいの?」

若干不安そうな表情になった櫻井くんに

松本くんが

「大丈夫でしょ」

ささやき返す。

ひそひそ声で話してるけど。

私、隣にいるので丸聞こえなんですよ…。

「怒らないでね?」

渋々って感じで

櫻井くんが口を開く。

「俺ら。

オーディションの内容全部録音してたの」