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デュエット ページ33
歌うの?
精一杯怪訝な顔をして
隣の二宮くんの顔を伺うと
「大丈夫だから」
そう
小声で言って微笑みながら頷いてきた。
前奏がそろそろ終わる。
もちろんただの音源だから
流れてるのは伴奏だけ。
被せでもない、私は一人で歌うことになる。
「ほら」
櫻井くんにも促されて
一音一音
自分で確かめるようにしながら
歌いだす。
歌詞カードを一心に見つめて
極力皆が視界に入らないように。
しばらくすると
二宮くんの声が
私の声に重なりだした。
常に
男子にしては高めで
可愛いなって思ってる
二宮くんの声。
歌声は初めて聞くけど
なんだか耳に心地良い。
ちゃんと歌詞に合わせて
声をだしてる感じがして
なんて言えばいいんだろう?
歌に表情がある。
感情が込められてる。
皆の前で歌うことに
多少の不安はあった。
でも
二宮くんこうして二人で歌えることが
素直に嬉しい。
ハモるのって楽しいんだな。
余裕が生まれてきて
この状況を楽しめるように
なったかなって頃に
曲は終わった。
松本くんがプレイヤーに寄っていって
ボタンをポチッと押して
プレイヤーを止める。
次の瞬間
拍手が巻き起こった。
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作者名：りぃん | 作成日時：2017年8月26日 11時
