あなたがやっぱり好きでした 2【N.K】 (ページ31)

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認めないページ31

「え、俺?」

突如呼ばれた二宮くんは

びっくりしたように

そう首を傾げたけど

櫻井くんと目を合わせると

何かを悟ったような顔をして

すーっと前にでてきた。

相変わらず

教室はとても静か。

誰も一言も話さない。

全員が

次は何をするんだろう

そんな目で前にいる私たちを見てる。

「聞くね?」

櫻井くんが

ぐるっと皆を見回す。

「Aさん。どうだった?」

誰も答えない。

沈黙が続く。

…そりゃそうだよね。

当然の結果だよね。

皆、なんでこんな奴がベル役なんだろうって。

私の方が絶対にうまいのにって。

そう

感じてるに決まってる。

ごめん、櫻井くん。

ごめん、松本くん。

せっかく役をもらったのに

せっかく皆の前で

認めてもらうように実力を見せるチャンスをもらったのに

私

やっぱり無理かもしれない。

耳が痛くなるような静寂を

破ったのは理沙だった。

「思ったこと、素直に言っていいの?」

理沙にしては珍しく

そう了承を得てから口を開く。

「すごいじゃんA！

こんなに歌とかできるの、なんで今まで教えてくれなかったの?！」

…え？

理沙の発言から

教室の空気は一変した。