あなたがやっぱり好きでした 2【N.K】 (ページ26)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:36,868 hit

正直な言葉ページ26

教室を

包み込む沈黙。

わかってるんだね?

櫻井くんも。

多分松本くんも。

私がベル役に抜擢されたこと

女子のほとんどが

快く思ってないって。

「きっと皆、

特に女の子たちは」

櫻井くんが続ける。

「私の方がベルに向いてるのに

って思ってるんじゃない?」

…そこまで気づいてたの?

それを本人たちに直接言って

どうしたいの?

そんな疑問を

今ここで口に出せるはずもないし

私は固唾を飲んで

見守ることしかできない。

「まあ俺でもそう思うかもしれないけどね、

もし俺が女子だったら」

少し茶目っ気を交えて

松本くんが言いたす。

「野獣がニノだもんねえ？

そりゃ彼のお姫様になりたい人はいっぱいいるよね」

その言葉に二宮くんの方をちらっと見ると

耳が少しだけ赤くなってた。

「あと正直に言うと」

櫻井くんは

真面目な顔を崩さない。

「俺は

俺と潤と沢山の時間を一緒に過ごしたいから。

そんな理由で舞台班に来たような子には

申し訳ないけど

いい役をあげたいとは思わなかった

多少の実力があったとしても」

少しだけ

女子がざわつく。

…櫻井くん。

あなた

今結構な数の女子を敵に回しちゃった可能性が…。