あなたがやっぱり好きでした 2【N.K】 (ページ3)

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冷めたヤツページ3

「楽しそうだったんだよ、演技してる時」

横から

松本くんも言ってきた。

「心の底から、役に入り込めてる感じ。

あれ、Aさんこんなに感情入れてセリフ言えるんだ、って思っちゃったぐらい」

ねえ、

と櫻井くんに同意を求めると

彼も何度も頷いた。

「正直言っちゃうと俺、

Aさんの、歌とダンスは知らないけど

演技には期待してなかったんだよ?

Aさんって普段あんまり感情表にだすタイプじゃないし

結構淡々としてるじゃん。

それに加えて理沙ちゃんとかみたいに

進んでワイワイ騒ぐような子じゃないから、

台本読みも棒読みじゃないかなあーって、勝手に思ってた」

…要するに

「冷めててノリの悪いヤツ」だと

思われてたってことですね。

うん、まああながち間違っちゃいないからいいんだけど。

「あ、言い過ぎた?ごめん」

黙り込んだ私に

櫻井くんが焦ったように声をかけてきた。

「何が言いたかったかって言うと。

想像以上によかったの!Aさんの演技!」

傷つけちゃったんならごめん、

櫻井くんが

本当に申し訳なさそうな顔で

眉を下げて謝ってくるから

「いや違う違う!全然大丈夫!メンタルは強いから」

こっちの方が慌ててしまった。