あなたがやっぱり好きでした 2【N.K】 (ページ2)

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求めたてた理由ページ2

「そりゃ、ね。

オーディション受けた子たちはほぼ皆、一生懸命だったよ?」

櫻井くんはそう言って

松本くんと顔を見合わせた。

「でもね、その一生懸命頑張ってる理由が、俺らが求めてる理由じゃないんだよ」

どういうこと?

「結局はさ。

俺らにいいトコ見せたくて、頑張って歌ったりしてたんだよね?」

俺らだって鈍感じゃないんだから気づいてるよ、

って言いながら

二人は苦笑する。

モテてる自覚あるんかい

心の中でツッコミはしたけど

心のどこかで

少しほっとした。

この二人は

自分にいいところを見せたがってる子

自分を好きでいてくれる子を

特別扱いしたりせずに

皆のことを平等に

審査してたんだな、って…。

「Aさんはそういう、言い方悪いけど邪心みたいなの、なかったでしょ?」

「まあ…」

それはそうだけど。

「役が欲しいっていう意欲はあんまりないって言ってたし、

俺らにもやる気は伝わってこなかったよ、最初は」

うん、それはそうだと思う。

できるだけ

表舞台には出たくなかったし

どうなってもいいやって思いで

オーディションにのぞんだから…。

「でも、Aさん。自分で気づいてたかな?」

櫻井くんが

嬉しそうに微笑みながら言ってきた。

「いろんなセリフ言ってもらったよね。

あの途中から、すんごいいい顔してたの」