愛しのキキーモラ 7 【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ38)

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кукла　（人形）　⑦ ページ38

「あはは、海咲ちゃん本当ヴィクトルの扱い酷いよ？」

「ふふ、そうかしら」

でも、今までず～っとこんな感じだったんだよ～と笑われ勇利は肩の力が抜ける。
人形の様に冷たい貌が、コロコロと変わり優しい目と柔らかな声がそれを暖かなものにしている。

「ヴィーチャの抱き枕だったからな」

「あの記者・・・・前に抱き人形とか頭の湧いた記事書いた奴なんだって？」

背後から掛けられた声に、勇利は両頬を掴まれたまま振り返ると慌てて海咲からはなれる。

「フン、なんだ。
もう落ち着いているのか」

心配して損した、流石海咲だな？と言われ海咲は首を傾げる。

「何が流石なのか未だにわかりませんが、人形遊び、私ヴィーとは結構したかも」

勿論お父さん役になって貰って、でも着替えは無しで遊んでいたと言えばアイツは寧ろ今はお前を着せ替え人形にして遊んでいるじゃないかと突っ込む。

「しかも、妥協は許さないんじゃないか？」

「ご慧眼流石です」

ぺこりと頭を下げる海咲にヤコフは暫くリンクに来ていた女の子達に誘われてしていた位だと肩を竦める。

「しかも、頑なに自分はお兄さん役しかしないし、お父さん役はみさきがお母さん役じゃない限りしないと断言していた」

「うわぁ・・・・」

徹底してるね、と言おうとするが海咲はだからモテるんだよねぇ～と肩を竦める。

「自分だけを愛してくれたら！って女の子の夢が広がっちゃうんだと思う。
私、期間限定のお友だち状態だったし」

やれやれ、とでも言いたげな返しにユーリが思わず違うだろ！と突っ込んだ。