愛しのキキーモラ 7 【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ34)

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кукла　（人形）　③ ページ34

「・・・・・今のお前、ヴィクトルにすり寄る肉食女みてぇだからだろ」

アイツ、笑顔で相手の女ぶった切るぜ、と言われそれは嫌いって言うよね、と納得するとミラがくすくすっと笑う。

「でもさ～今の恰好も良いと思うよ？
ヴィクトルって自分の妻が他の男と居るって書かれたくなかったんじゃない？
少なくとも、昨日の海咲と同一人物とはわっかんないもの」

あの男ちょ～キモイ！と笑う。

「・・・・・そっか、そういう意味かぁ～」

【えすか～】と呟く勇利に海咲は【怖い】って言わないで！と涙目になる。

「いや、だって海咲ちゃん、あんヴィクトルがそんだけ罠張るってよっぽどやと思わん？」

「思うけれども！
気づかんかった私も悪かけど、そこまで私危なかと？！」

そこまで馬鹿やなかけん？！と訴える海咲にいやいやいや、と首を振る。

「海咲ちゃん気づいて無かけど、結構いろんな人こっちゃ見よらすけん？」

「しゃーしぃ・・・・心ん底っからしゃーしぃ・・・・」
(しゃーしい＝めんどくさい)

「そがん珍しかっちゃか」

「少なくとも、日本人スタッフいなかったし、こんだけ目立つ人がおったら皆見らすよ？」

「アイツ、潰す」

ふざくんな！とどんどん方言が出て目が据わる海咲に勇利は目ぇ尖っとる！がーえすか(まじで怖い)けん！と諫めるが海咲はゾクリとするほど迫力のある笑みを浮かべて謡うように吐き捨てた。

「ヴィー、要らない」

「「「「「！！」」」」」