愛しのキキーモラ 7 【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ25)

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望まぬ別離　④ ページ25

ヤコフは、泣きそうな顔をしながら懇々と注意していくヴィクトルに分かった分かったと頷く。

「ヤコフ、本当に海咲を頼んだよ？」

「少なくとも、お前が此処でうだうだするよりは大丈夫だ」

「海咲・・・・・絶対に俺の所に還って来て？」

「？今漢字が違った気がするけど・・・・ちゃんと勇利君をヴィクトルの所に連れて帰るね？」

おぉ、面白いほど伝わっとらんと天を仰ぐ。
海咲の主張を聞いた限り、何も知らない勇利のコーチだけを引き受けるよりも海咲ごと引き受けてサポートさせた方が良いと判断したが・・・・ヴィクトルの執着の強化は予想以上でドン引くし、勇利も引き攣った笑いをしている。

「ヴィー」

「・・・・分かった」

あの、ヴィクトルにいう事を聞かせられるのは海咲だけだが、こんなにも弁が立つ様になっていたとは驚きだ。

「海咲」

「はい！」

しかも、良い子のお返事はそのままだ。

「とにかく、明日の朝は朝食から合流しろ」

「はい」

後は・・・とヴィクトルがすべき事を全て海咲に伝え、勇利には海咲のいう事を聞くようにと命じる。

「俺はお前を知らん。
だから俺はお前のスケートに関してのコーチしかせん」

ただ、移動などは後をついて来いと命じると、海咲には絶対に逸れるなと厳命した。

「もし逸れそうになったらお前はリリアと手を繋がせるぞ」