愛しのキキーモラ６【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ10)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:62,877 hit

里帰りと就活　～ロシアへ～　⑤ ページ10

日本で撮った演技の映像を時間経過と共に見た勇利は、飛行機の中で言われた内容になるほどと頷く。
スマホの画面よりも、大きなスクリーンで見た事で足の軸や離氷の時のブレードの角度が分かり易い。

「明日の練習で此処の修正をしよう。
あと、ジャンプは一回だけだ」

今度はちゃんとコーチ命令を聞くように！釘を刺されはい、と答える。

「じゃ、後はのんびり過ごそうか」

ホテルのチェックイン実は明日で時間があるから富美香に抹茶入れて貰おう！と誘った。

目の前で点てられた本格的な抹茶に硬直する勇利に、富美香は海咲も出来ますよ、と笑う。

「富美香に出来る事は海咲も出来るんだよ～」

「芸事は早ければ早いほど遊びとして覚えられますからね」

そもそも、海咲はヴィチューシェカに嫁ぐだろうなと感じていたのでと笑う夫人は海咲と雰囲気が全く同じで、海咲が可愛い系統だとすれば富美香は間違いなく日本美人だ。
礼をし、抹茶を頂いた勇利はこれ本当に良い抹茶が使われていると目を開く。

「ふふ、日本人のお客さんは久しぶりね」

でも、海咲ではないのが残念・・・そう言われたヴィクトルは明日には海咲を連れて来るよ、と安請け合いをする。

「明日は海咲を空港に迎えにいくからね」

「・・・・車を出すのは俺だが？」

お前は本当に行くだけだと言われ、ヴィクトルはへらりと笑う。

「良哉は優しいね！」

「褒めれば許されるわけじゃないぞ、ヴィチューシェカ」