愛しのキキーモラ６【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ47)

今日:11 hit、昨日:4 hit、合計:62,883 hit

子は鎹　⑥ ページ47

「ミラ、君失礼だよ。
それに、海咲に意地悪したら許さないよ？」

底光りのする瞳で睨まれたミラは、ゾッとするがそんなヴィクトルを『しません！』と叱る海咲を尊敬する。

「もぅ、なんでそんなに攻撃的なの？」

「だって、意地悪されたからって海咲が離れて行ったら困るからだよ」

「ヴィー・・・私もう大人なんだけど」

「知ってるよ？
ずっと待っていたんだから」

海咲と家族になりたくて、ずっと待ってたと甘えるヴィクトルに海咲は抱きすくめられる。

「ヤコフ先生、ヴィー最近落ち着きがなくて」

「・・・・・知っとる。
それに仕方がない事もな」

お前が来なくなってからのこいつは見て居られなかったが、今のこいつの方が千倍マシだと肩を竦められる。

「え？」

「脱走犯が、脱走しなくなった。
スケートが楽しくて仕方がないと言ってた奴が苦し気にスケーティングする・・・こいつはお前が居なきゃ息すら満足に出来ん」

むしろ、こいつをさっさと貰ってくれて助かったと言われきょとん・・・とした後に破顔した。