愛しのキキーモラ６【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ37)

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就活、面接、返事待ち　⑬ ページ37

着替えて顔を洗った海咲がメイクをしようとすると、その手を後ろから捕まれてしまう。

「え？」

「ねぇ、メイク必要ないよ？」

肌も綺麗だし、と微笑まれるが、海咲は身だしなみの一つなんだけど、と訴える。

「でも、俺はメイクしていない海咲が好きだよ？」

釣りの時だってメイクしてなかったじゃないか、と言われあれはだって、汗でドロドロになるから・・・と困惑する。

「しちゃ、駄目？」

「しないでくれると、うれしいな」

海咲はメイクしない方が可愛いと言われ、自分のメイクが下手なのかと悩む。

「メイクすると、美人になるから虫が寄って来る」

「うん、気のせいだよ」

もう、びっくりしたっと慌ててメイクをしていく海咲に、ヴィクトルはメイクしない方が可愛いのにと拗ねる。

「ねぇ、勇利も海咲はメイクしない方が可愛いと思わないかい？」

「正直、僕はメイクにまで口を出すヴィクトルにびっくりしているよ」

「え？だって妻には何時までも可愛いままで居て欲しいものだろう？」

美人になったら誰かに盗られそうで怖いと言えば、勇利は気のせいじゃないかな？と笑う。

「何故？」

「だって、海咲ちゃんヴィクトルの事、ちゃんと好きだよ」

「知ってる」

「海咲ちゃん見てて、ヴィクトルは何も感じないの？」

こんなにもヴィクトルの言葉に耳を傾けていてくれているのに・・・と言われ、だからだよ、と返される。

「海咲が素直だから、怖いんだ」