愛しのキキーモラ６【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ32)

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就活、面接、返事待ち　⑧ ページ32

結局、あの手この手で海咲を陥落しようとして全て却下されたヴィクトルは無表情で夕食を口にしているが、その横で美味しい！と笑う海咲の声に反応しては抑え込んでいるのを見て勇利はそっとヴィクトルを見ないふりして海咲にそうだね、と頷く。

「これって、何かなぁ？」

「うーん・・・・海鮮っぽい味だよね」

「うん、甲殻類じゃないし・・・なんだろ」

知ってる味だと思うけど、良くわからないね～と首を傾げ合っていると、ぼそりと答えを返された。

「魚の骨からだしを取ってるんだ。
中に入っているのは仔羊のレバー」

「そうなんだ」「・・・・・・・・」

無言を返す海咲に、此処は反応しようよ！と視線を向けると、ポカンとした顔でヴィクトルを見上げている。

「・・・・・何」

「ううん、何でもない」

そう言いながらも視線を外さない海咲に徐々にヴィクトルの頬が赤くなる。

「本当に、何」

「ううん、気にしないで」

「気にしないなんて出来ないよ！」

そんな風に見つめられたら我慢出来ない！と小声だが叫びカトラリーを投げ捨てる様に置いて海咲を抱きしめる。

「ごめん、俺が悪かったから、そんな風に見つめないでくれ。
我慢出来なくなる」

「・・・・別に、責めてるつもりはなかったんだけど」

「そっち！？」

違うよ！と勇利が内心突っ込むが、ヴィクトルはキョトンとして噴き出す。

「アハハ！海咲っ可愛い！！」

そんな天然な君も好きだよ、とすっかり機嫌を直したヴィクトルは怪訝そうな海咲に嬉しそうに微笑む。

「君が愛おし過ぎて我慢出来なくなるって事だよ・・・海咲を抱き締めたまま此処で襲いそうだ」

「え？・・・！！」

それは駄目っと顔を赤くして抱き締めるヴィクトルから逃げようと藻掻くが、ヴィクトルは離さないよ、と頬にキスを落とした。