愛しのキキーモラ６【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ4)

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里帰りと就活　～勤労感謝の日～　⑥ ページ4

街のあちこちに

《いつもありがとう》

という文字が溢れていてヴィクトルは平仮名は読めるので凄いね、と溢す。

「うん、すごい商魂逞しさだよね」

「うん？」

どういう意味だと店を覗けば確かに色んな商品が関連品として売られている。

「wow…..なるほどね」

「ね？」

くすくすと笑った海咲は、その中でも自分の欲しいものが値下げされてたら普通に買うから別に上げる相手が居なくても困ってないのだと言う。

「あげる人が居ない？」

「居ないっていうか、宛てがない・・・かな」

家族全員が働いて居るし、お互いお疲れ～って感じだかなぁと言えばそういえば海咲の家族は全員大人だったね、と頷く。

「でも、だったら家族にはしないのかい？」

「しても良いけど、下手に用意したら気不味くなるし。
多分今夜外食で終わりかなぁ」

ヴィーも一緒に行ける？と帰る時間を聞かれ、多分大丈夫だと頷く。

「終電まで居るつもりだし」

「え！？」

店々を巡り、何かを買おうと声を掛けるが全て首を横に振られる。

「海咲～何も買ってないじゃないか」

何か買わせてよ～と訴えるが、だって欲しいものが今はないものと返される。

「え～」

「本当に欲しいもの以外は要らない」

だって、勿体無いし物が可愛そう、と言われヴィクトルは欲が無いよ～と嘆く。

「構えないよ～」

「そう？今私贅沢な気分だけど」

「え？」

「だって、二人でのんびりなんて、お金じゃ買えない贅沢じゃない？」

好きな人と、同じ時間を楽しんで過ごせるなんて、と言われヴィクトルは上機嫌で笑う。

「そっか・・・そうだねｖ」

そういう考えも良いね！と同意したヴィクトルは誰にも邪魔されず、真っ直ぐ見つめて来る海咲の眼差しにうっとりとする。