就活、面接、返事待ち �� ページ26
「え？」
どういう事？と驚く勇利に、海咲は何故ヴィクトルがアレクに絡まれたと思う？と笑う。
「お爺ちゃんがアレクに会わせた理由はね、子どもが出来たからなんだよ？」
「え？
でも妻にって言ってなかった？」
「うん、シングルファーザーだって」
相手の女性は結婚するから子どもが邪魔って事で押し付けて出てったんだって、と吐き捨てる。
「要らないなら、つくらないで欲しい。
生まれたなら、最後まで責任持つべきじゃない？」
しかも、相手の女性は優秀な精子が欲しいからと擦り寄って来たらしい。
「アレキサンダーも、黒髪アジア系ってだけで応じたらしいから相当だけれどね」
国籍も、名前も本名かもわからないし、そもそも本当に自分の子かもわからないらしいと聞き、それってかなり危ないんじゃ・・・と言えば、もう少し大きくなったらDNA検査するらしいよ、と返って来る。
「相手の女性のDNAは手に入れたらしいんだけど、子どもの方が髪も爪も十分に採取出来ないからまだなんだって」
徹底してるよねぇと肩を竦める。
「まぁ、言って来た理由もただ女性に熱を上げる彼が見たかったという二段構えのライバル会社の罠だったらしいんだけど。
アレキサンダーはそもそも子どもが手に入るならならいいかというスタンスだったから、嫉妬も束縛もしない代わりに会社の資料も予定も漏らさず、ただただ雇われたそういう事専門の女性だけが得した感じかなぁ」
まぁ、どっちもどっちだし、アレキサンダーも個別にシッター頼むよりも会社の新事業である社内託児の方が良いとその第一回目の試験者の一人になる予定らしいと笑う。
「もしかして・・・」
「うん、その子どものシッターを探してたらしいの」
事業開始は全部で七組だって〜と笑う海咲に、ヴィクトルは知っているのかと尋ねると、知らないよ？と首を傾げて笑う。
「だって、予定だもの」
それに、まだ私採用とも決まってないものと笑う。
「今日は面接だったの」
だから、ヴィーほったらかしにして話し込んでたでしょ？と笑う。
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作者名：若桜 | 作成日時：2018年1月3日 23時
