愛しのキキーモラ 4 【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ6)

今日:10 hit、昨日:2 hit、合計:83,318 hit

切子④ ページ6

ヴィクトル、ちょっといいかな？
そう呼ばれても気づかない彼の代わりにドアを開けた勇利は、外にいたクリスにごめん今聞こえてないと謝った。

「え？何、彼どうかしたの？」

「う、うーん・・・・壊れてる？」

「え？」

どういう事？と覗き込んだクリスは燥いでスマホをタップしている様子に首を傾げる。

「何してるの？」

「トークだよ」

「誰と？」

「あはは・・・・」

苦笑している勇利に、ピンときたクリスはじゃあ勇利でもいっか、と頷いた。

「ねぇ勇利、君・・・海咲って知ってる？」

「え？」

ぎょっとした有利に、知ってるんだ？と問えばどういう意味で？と返された。

「どういう・・・・？」

「そう」

じっと、まるで睨み付ける様なその眼差しにクリスはまさか・・・と顔を蒼褪めさせた。

「もしかして、海咲って幼馴染ってだけじゃなくて、勇利の彼女だったりする？」

「「冗談じゃない！！」」「！？」

二人から同時に否定されクリスは驚き背を反らせるが、二人から腕を引かれて部屋の中に連れ込まれた。

「クリス、一体どういうつもり？」

「え？」

「クリス、お願いだから海咲ちゃんと僕は何にもないし、そんな事言ったら拗れるから止めてよ！！」

ヴィクトルから睨め付けられ、勇利からは懇願され、ご・・ごめんと言えば不機嫌なヴィクトルがどさりとベッドに座り、勇利がそそくさと居なくなった。