裏切り者 �� ページ46
結局、職場は落ち着いたのか？と問われ、海咲はお爺ちゃんの裏切者！と拗ねる。
「ははは、冬治とは仲が良いんでな」
「ヴィーに指輪の事、嗾けたでしょう」
「いいや？
ヴィチューシュカ(ヴィクトルの愛称の一つ)が欲しいと言ってた時にたまたま冬治と話して居た時でな、紹介がてら言ったら知り合いがそっちに新作出しているという話になってな」
その時に将来の為に見に行けとは言ったが、買って来ていたとは今回初めて知ったのだという。
「じゃあ冬治お爺ちゃんはどうして？」
「冬治は一発でヴィチューシェカの事を気に入っておったぞ？」
アイツの審美眼はなかなかのもんだと胸を張る良哉に海咲は胡乱な目を向ける。
「それって、お母さんの事を気に入ったからでしょう？」
「そうともいうな」
儂の自慢の娘を一発で見抜くなんてな！と笑う。
「健治君も県職員だし、昔っから遊びに来ていたから知っとるからな」
盆と正月しかおらんのによぅ覚えているもんだと言えば、あれ？まんまヴィーじゃないと突っ込む。
「だからだ。
だから冬治はそれに耐えられるなら、なかなかの男だと褒めていたんだろ」
結局、親と同じような男を捕まえて来るんだからと揶揄われ、良いじゃない！と返す。
「まぁな、それで？ユダは見つかったか？」
「うん・・・園長の家族ってどうよ？」
騒げば先生達が辞めて行くのが面白かったんだって〜と頭を抱える様子に、救い様がないなと苦笑される。
「どの業種も一緒だがな、そういう奴はどの職場にも居るもんだ。
今はネットもあるから拡散も噂の比じゃないってのに、管理職の人間はどうしたって自分たちの使えるツールで判断するからな」
「あ〜・・・・それ、是非ともヴィーにも言って」
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作者名：若桜 | 作成日時：2017年12月13日 0時
