愛しのキキーモラ 4 【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ34)

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обещание(ср)（＝約束）　⑦ ページ34

ぷいっと顔を反らして前を向いてしまったのをオロオロとしながらも声を掛けるが悉く無視をされてしまい、震える声で名前を呼び始めたヴィクトルはおずおずと腕を回すと撥ね退けられない事に安堵しつつ少しずつ腕に力を込めていくと、大人しく抱き締められてくれている海咲に安心する。
一方居なくならない・逃げて行かない事に怯えるヴィクトルに、海咲は振り返るタイミングを失ったのでされるがままに抱き締められている。

「海咲・・・・」

すんすんと鼻をならし始めたヴィクトルに仕方ないなぁと後ろに倒れて凭れ掛り顔を見上げると不安そうな顔をしたのが見えて苦笑する。

「ヴィー」

「海咲・・・・怒った？」

「少しだけ、でも、私も怒り過ぎた。ごめんなさい」

泣かないで？と優しく言われ、強張った頬がゆっくりと解けていく。

「俺、カッコ悪い」

「そう？普段がカッコ良過ぎるからつり合い取れてるよ」

俺は海咲にだけは格好良い所を見せたいのにと拗ねる。

「私はヴィーのそうじゃない所も見せてくれる方が嬉しいけど」

だって、初めて会った時のヴィーの涙は綺麗だったけれど胸が痛くなるほどで、だから笑って欲しかったから声を掛けたと言われ赤面する。

「常に気を張ってるなんて辛くない？」

「海咲、俺を甘やかさないで貰えないか」

このままだと俺が海咲を甘やかせられないじゃないかと言えばくすくすと笑いながら勝手に甘えるから大丈夫～とお道化た。