愛しのキキーモラ 4 【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ32)

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обещание(ср)（＝約束）　⑤ ページ32

長谷津であった時よりも、空港であった時よりも大人びていて年相応・・・よりやや幼いけれど知らない女性になった様な気がして落ち着かなくなる。

「ねぇ海咲、聞きたい事があるんだ」

突然足を止めたヴィクトルに不思議そうに顔を上げた海咲は不安そうな彼の顔に驚く。

「海咲は、俺が仕事を辞めて俺について来て欲しいと言ったら・・・・怒るかい？」

「え？」

「俺は、もう傍に君が居ないのは耐えられない。
結婚の許しも貰ったし、何なら俺が帰化しても良いから海咲が欲しい」

「ヴィー・・・・・」

「ねぇ、お願いだよ海咲。
仕事よりも俺を選んで」

それか君が望むなら仕事をしても良いけれど離れて暮らすのだけは嫌だと掻き口説かれ、海咲は両手を握って視線を合わされその思いの強さに息を飲みつつも嬉しいと思う。

「それって、プロポーズ？」

「うん」

突然、海咲の前に跪きポケットからあの指輪を開いて見せる。

「それ・・・・っ」

「やり直しをさせてくれ。
海咲……..Выйдешь замуж за меня?(＝結婚してくれませんか？)」

あの婚約のお願いは何も用意してなくてごめんね、と眉を下げて謝る彼に、海咲はふるりと首を振り震える声で、答えた。

「・・・・・はい、宜しくお願いします」

ぽろぽろと溢れる涙を隠すことなく嬉しそうに微笑む海咲に、ヴィクトルは思いっきり抱き締めた。