俺の愛しいキキーモラ7【ヴィクトル・ニキフォロフ】～世界フィギュア選手権～ (ページ37)

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スカーフ　③ ページ37

も～海咲は俺に優し過ぎるよｖｖｖと抱き締めれば、ますます小さくなる海咲に、何時か腕の中から消えてしまいそうだと苦笑する。

誰にも見えないキキーモラ。
そのキキーモラの様に、海咲は海咲が思っている以上に儚いと気づいているのかな、と思う。

(日本人の奥ゆかしさは、ロシア人の俺にはとても儚く見えて怖いよ)

抱き締めている筈なのに、次の瞬間消えてしまいそうで。
自分よりも小さな手も、小さな体も、小さな足も妖精の様で行く先々の店員に本当に二つ差か！？と聞かれるのは何時もだ。
海咲が若々しいだけでなく、その雰囲気がティーンに見せる。

(勇利もだけどね、日本人は若々しいよね)

メンテナンスをして、海咲の横に立つ為に自分の容姿を保っているのに、海咲はまるで刻が止まっているかの様に何もしなくてそのままだなんて。

「あ、ヴィーそう言えば勇利君は？」

「ん？勇利なら別行動でお土産見て来るって」

「そうなんだ・・・・全然気づかなかった」

勇利君に、悪い事しちゃった、と反省している姿に、ホントに優しいｖｖｖと笑う。

「海咲、そこは俺を独占出来るって妖艶に笑ってくれないのかい？」

「え！？」

パッと赤くなって蹲ろうとしたのを抱き締めると、『だってヴィー勇利君のコーチ、だし・・・私はただくっ付いているだけだしっっ』と言い訳を必死に考えている姿に、ヴィクトルは俺は海咲のものだって言っただろう？と笑う。

「うぅ・・・・・」

「ふふ、真っ赤だね」

美味しそうな林檎だね、と頬擦りすると喉奥で押し殺した様な悲鳴が漏れ、可愛過ぎるっと抱き締めた。