俺の愛しいキキーモラ7【ヴィクトル・ニキフォロフ】～世界フィギュア選手権～ (ページ4)

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柔よく剛を制す　　剛よく柔を断つ　② ページ4

もー何で起こさないの？と拗ねられたヴィクトルは、だってもう少し寝かせてあげたかったんだと弁解するが、それなら放っておいて大丈夫だったのに・・・・と返される。

「此処は日本じゃないし、俺達の家じゃない。
幾ら施錠していても、侵入経路なんて予測もつかない事をされる事もあるんだよ？」

それなのに、俺が海咲の傍を離れる事など出来ないし、もし離れるなら誰かと居てくれなきゃ、と言われ理解はしたが納得出来ないと返す。

「海咲・・・・」

「だって、そんなのこれからもずっとでしょう？
そんなの、辛くなっていくのに」

「・・・・何故二人とも辛くなると決めるけるんだ」

「「それ以外考えられないから」」

これから、ヴィーはコーチする相手が増えるかも知れないし、出来たら子どもも欲しいんでしょう？と言われ頷く。

「人の体は一つしかないんだよ？
それなのに、私一人にそんなに心配していたら胃に穴開いちゃうよ？」

「俺は日本人じゃない」

「・・・・ヴィー、そんなに心配しなくても大丈夫だよ？」

「心配で堪らないんだ。
海咲は人に好かれるから」

奪われたくないっと抱き着く彼に、くすくすと笑いながら背を撫でる。

「でも、私が結婚したのはヴィーなのに」

「他人の物が欲しくなる人だっている」

「大丈夫！
相手を倒して戻って来るよ？」

「それなら、俺が沈めに行く」

「あはははは！」

ヴィーそんなに真剣に考えないで？とキスを頬にされ、目を張る。
まるで翅が触れたかのような僅かな感触しかなかったが、目の縁を染めて明後日の方向を見る海咲に目を潤ませ口をハートにして抱き着き、キスを返した。