俺の愛しいキキーモラ7【ヴィクトル・ニキフォロフ】～世界フィギュア選手権～ (ページ26)

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Con Te Partirò(コン・テ・パルティロ)　② ページ26

肩で息をする海咲に、遣り過ぎてしまったと反省するヴィクトルはだけれど、海咲が可愛いのは本当だと言えば、耳を両手で覆ってしまわれ、うーんと考え込む。

「ヴィクトル！
海咲ちゃんを苛めるなら僕だって考えがある！」

「苛めてないよ、勇利」

「遣り過ぎて海咲ちゃんが泣いちゃいそうじゃないか！！」

「それはごめんね、海咲」

でも、気持ちを抑えるのは俺には無理なんだ、とはっきりと言われ勇利は面倒臭い・・・と遠い目になる。

「海咲ちゃん壊れる」

「壊さないよ」

あぁ、勇利気をつけて。海咲から離れないとお前怪我するよ、と言われえ？と首を傾げるのと、ヴィクトルから腕を引かれて右に蹈鞴を踏むのが同時。
そして、自分の顔の横をハイヒールを履いた靴が通り過ぎるのも。

「海咲、もうしないから」

「嫌い！」

回し蹴りだった様で、邪魔だった自分の首が刈られそうだったのだと気づき蒼くなるが、その足を捕まえて甲にキスと落とすヴィクトルに絶句する。

「放して！」

「良いよ」

解放された足を取り返した海咲が地を踏む前に抱き締められて、硬直する。

「落ち着いて海咲。
俺が悪かった」

本当に恥ずかしかったんだね、と苦笑するヴィクトルに、半泣きな海咲を見て、勇利は苦笑した。