食の擦り合わせ �� ページ23
足りないなぁと言いながら、追加の料理を買って来るよ、と頬にキスを落として立ち上がったヴィクトルは勇利に海咲と待っていてと頼み雑踏に紛れていく。
「海咲ちゃん・・・・・大丈夫？」
「ん？うん。
ロシアでのヴィーが何時もこんな感じだったし」
「あぁ・・・・周りが勘違いしていたの、分かるよ」
溺愛だね、と言えば流石に今は解ると返される。
「寧ろ、なんで解らなかったが判らない」
「日本では告白文化だもんね」
「ねー」
でも、未だになんでこんなにも好かれたのかは解らないと呟く。
「え？」
「だって、初めてヴィーに優しくした人間ってだけでしょ？」
刷り込みに近いと言えば、順番が大切なんだよ？と後ろから声を掛けられ驚いて振り返った。
「お、お帰りヴィー」
「ただいまｖｖ」
はい、美味しそうなアスパラギ エ ウオヴァ アラミラネーゼ(Asparagi e uova alla milanese)があったよ、と三人前の物を置く。
「こっちはチーズの盛り合わせだよｖ
・・・・あぁ、海咲ゴルゴンゾーラも混じってるから気を付けて」
苦手だろ？と言われピリッとするの苦手、と返す。
「知ってる☆
海咲ってば繊細な舌なんだって買っている時に思い出したよｖｖ」
あと、海咲が好きかな？と思って野菜炒めも、と出されトマトと一緒に素揚げされた物にまぶされた知っている匂い・・・・お好み焼きのソースの香りにあれ！？と驚く。
「これって・・・・？」
「日本人のやってる屋台があってね、今人気なんだって」
辛いのが苦手な日本人でも大丈夫かって聞いたら大盛りで売ってくれたのだと笑う。
「日本人ならって薄味に作り直してくれたものだから、食べられると思うよ」
「っヴィーСпасибо！！」
「ふふ、Пожалуйста」
海咲の為に俺が出来る事があるって良いねｖと笑う彼は、自分様にとカルツォーネを六つも買って来ていて、勇利と海咲は凄い・・・と絶句した。
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作者名：若桜 | 作成日時：2019年3月12日 21時
