俺の愛しいキキーモラ7【ヴィクトル・ニキフォロフ】～世界フィギュア選手権～ (ページ3)

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柔よく剛を制す　　剛よく柔を断つ　① ページ3

目が覚めてホテルの回りを走って来るよと声を掛けると、僕も行くよと立ち上がる勇利に、海咲を一人にするの？と尋ねる。

「え・・・でも・・・・」

「俺、目覚めて一人って嫌なんだよね」

心細くなるだろう？と絶対外せない用事以外は絶対に一人にさせたくないと強い口調で言う。

「メモを残すのは？」

「・・・・・朝から悲しい思いをさせたくない」

「今からそんなんじゃ、後々困らない？」

そんな風に何でもかんでもしようとすると、疲れてしまうよ？と苦笑する勇利に、疲れるなんて！と言い返す。

「海咲の事で、疲れたりなんかしないよ！」

「でも・・・」「五月蠅い！！」

言い返そうとした勇利に被せる様に不機嫌な海咲の声に、二人とも硬直する。

「朝から一体何？！」

むすっとした顔で体を起こした海咲に、ヴィクトルはごめん・・・と項垂れ勇利はごめんなさいっと蒼くなった。