下腹部 �� ページ1
ベッドに潜り、腕の中で寝てしまった海咲の髪を梳きながら勇利と話して居たヴィクトルはさっきは助かったよ、とお礼を言うと全くだよ！と返される。
「僕の大事な幼馴染なんだよ？
泣かさないでよヴィクトル」
「俺にとっても大事な幼馴染の女の子だよ？
泣かすつもりなかったんだ」
海咲には、喜びの涙しか流させたくないのにと言えば、無理だと思うよ、と返される。
「は？」
「海咲ちゃん、泣き虫だろ？
悲しい話聞くだけで涙ぐむし。
笑い過ぎてよく涙流して居るし」
「ビックリした。
突然勇利が俺の海咲への愛を否定して来たのかと思ったよ・・・・
でも、そうだね。
海咲ってそうは見えないけど、泣き虫だったね」
その癖、辛い時こそ泣いて欲しいのに泣かないから、悲しみの涙だけは流させたくないと言えば、ヴィクトルなら出来るよ、と返って来る。
「泣かさないのは無理だけど、海咲ちゃんヴィクトルの事すっごい見てるよ。
知ってる？ヴィクトル。
女性って男性の4分の１しか男性を見ないらしいよ」
「Really！？」
「なのに、海咲ちゃんは何処かを見つめていても必ず視線がヴィクトルに戻っていたよ」
「Wow........本当に、俺海咲に悪い事しちゃったな」
そっと額にキスを落とす彼に、勇利は文化の違いなんだからね？と続ける。
「僕達日本人は、家族は兎も角、友達じゃなかったらハグなんてまずしないからね？」
「そこだよね。
海咲、ロシアに来ていたのにそこだけは全く慣れなくて毎回固まっていたし」
「察してあげようよ」
「そうだね・・・・」
あーぁ、全然海咲が足りないと嘆くと睨まれた。
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作者名：若桜 | 作成日時：2019年3月12日 21時
