ダンスバトル �� ページ22
「うわわわわ」
「はいはい、回って〜」
・・・・・・・扱いがかなり雑になったヴィクトルを見て、楽し気に笑い転げる海咲に、ユーリは上気した頬を見て、酔ってんのか？と尋ねる。
「え？」
「お前、酒どれだけ飲んだ」
「？ヴィーがくれたシャンパンだけだよ？」
二杯くらい？と首を傾げた海咲に、まだまだ酔っ払いってわけじゃねぇのかと思いつつ、ターンをする海咲を抱き寄せたユーリはその軽さに驚く。
痩せている、という意味ではなく、そもそもダンスでは体重は自分で自分を支えるもので、リードする男性は女性の体重を支えたりはしない。
男性が手を添えて、もしもの際に支えたり促したりする為に触れているに過ぎない。
その事を理解した海咲のターンだからこそ、軽い。
(凄ぇな)
足捌きも軽やかで、それを勇利と踊りながら見ているヴィクトルにイラッとするが、全く気付かず真っ直ぐユーリを見る海咲の目は悪戯っぽく煌いていて目が離せない。
「ユーリってリード強いんだね」
「あ？」
「ヴィーとも町の人達とも違うから楽しい！」
街の人！？と驚くと、昨日練習に行ったのだと聞き、焼き付け刃でこれかと驚く。
「お前、何で選手にならなかったんだよ」
「なりたくないから」
あんなにストイックに練習出来ないと言えば、ユーリはそうか？と首を傾げる。
「お前なら出来そうだが」
「Спасибо，だけど選手になったら多分ヴィクトルとぶつかってると思うよ」
私、頑固だし〜と笑う。
「・・・・そう言えば真利が、お前キレたら手に負えないと言ってたな」
「あははははは！」
そう言えば真利ちゃんの心バッキバキに折った事あったね〜と笑う海咲に、あのふてぶてしい真利の心を折るってどんだけだと引いた。
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作者名：若桜 | 作成日時：2018年4月2日 20時
