ダンスバトル ページ20
会場内に流れる曲が変わり、来た、と警戒する海咲にヴィクトルは踊ろうよ〜と誘うが、涙目で顔を横に振られ苦笑する。
上手なのに、と言っても自ら恥を掻きに行きたくないと震える様子に、ヴィクトルはどうしようか・・・・と顎に人差し指を当てて考えていると、上機嫌の勇利がユーリをパートナーに踊っている。
「「あ」」
そう言えば放っておいてしまったと気づいたが、『まだほろ酔いで良かった』という海咲になら大丈夫かと笑う。
「ね、俺達も踊ろうよ」
ほら、アイスダンスの選手も家族も踊ってるから目立たないって〜と誘うと、恥ずかしそうに端っこなら、と頷いてくれた。
「Okey!」
キラキラと輝く無邪気な笑みに、海咲は瞬きを数回した後ふわりと笑み綻ぶ。
「可愛いっ」
「ぐっ」
男性の腕力で抱き締めるのではなく、誇張無しに締め上げられ呻くとオロオロとするヴィクトルに『力加減！』と睨む。
「so....sorry」
「もぅ、中身出るかと思った」
やっぱりヴィー男の人なんだね、と言えば不思議そうに首を傾げる。
「俺、元々男だよ？
だから、海咲を妻にして子どもが欲し「黙って」Да....」
なんで？と言いたげに目を潤ませたヴィクトルは、真っ赤な顔で震えている海咲に、驚き胸の奥を掻き毟られている様な気持ちになる。
「可愛過ぎる・・・・！！！！」
反則だよ・・・とトキメキ胸に抱き込む。
「ヴィー、踊らないの？」
「うん・・・・・そうだね」
どうしよう、海咲。俺、今踊りたいし海咲を抱き締めていたいと言えば、蹲ってしまった海咲に、あぁしまった！！と慌てて腰を抱き上げ抱き締めた。
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作者名：若桜 | 作成日時：2018年4月2日 20時
