あぁ愛しのキキーモラ２【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ15)

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コミュ障　③ ページ15

「ふふ、良かった勇利君。
今回は人の輪の中には入れたね」

「勇利は自分の事を過小評価し過ぎなんだよ・・・海咲もだよ？」

「え？」

「日本人は皆慎ましいけれど、裏を返せば自己評価が他国よりも低いんだよ。
優しさも、親切もその人の魅力なのに、日本人は出来て当たり前と思い込んでいて、もったいないよ」

「うーん？」

「海咲の人の心に寄り添うその優しさも君の魅力の一つだ」

俺には出来ないし、海咲以外の人に心を添わせる事も晒す事も怖くて出来ないと肩を竦める。

「そう？」

「そうだよ！
だって、裏切られるかも知れないじゃないか」

良い人ばかりとは限らないし、宝物は隠して置かなきゃ！というヴィクトルは、隠せないなら名前を書いておかなきゃね、と笑って海咲の結婚指輪にキスを落とす。

「・・・・名前？」

「そう、俺の奥さんってわかるようにね」

海咲に直接書いて良いの？と笑う彼は、それが出来ないから指輪で、ね？と笑う。

「あぁ、そうか。
キスマークを付ければ良いのか！」

「したら口利かない」

退職してから！と睨む海咲に、ヴィクトルは『退職したらして良いって事だよね？★』とほくそ笑んだ。