あぁ愛しのキキーモラ２【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ11)

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美食＝貪食ページ11

睨んでるね～と笑い飛ばす海咲に、ヴィクトルは俺が慰められてどうするんだと不甲斐無さに苛まれるが、普段なら恥ずかしがる海咲が、自分の為に腕組みをして右手に抱きついてくれている。

「絶対に、彼に二度と触れさせたりしない」

「うん！」

くすくすと笑う海咲の耳が真っ赤で、羞恥心を堪えてくれているのがわかり、怒りに心が冷えていたのがほっこりと温められる。

「どれが食べたい？」

取ってあげるよ、と微笑むと組んでいた手を解き料理に目を輝かせる。

「これが良い！」

嬉々として料理を口に運ぶ海咲に、ヴィクトルは目を細めて見つめていると、食べないの？と聞かれ食べるよ、と答える。
次々に口に運びつつ、次第に真剣な顔になっていく海咲に、ヴィクトルは首を傾げた。

「海咲？」

もしかして辛いものが混ざって居た？と問えば笑顔で首を横に振られ、じゃあどうしたの？と尋ねる。

「うん・・・・」

ヴィーはこの料理、どう思う？と聞かれたTボーンステーキに、美味しい、かな？と戸惑いつつ答える。

「そっか」

「海咲？」

それから数回ステーキを取り、食べたり口に含んで目を閉じたりとしていた海咲が、ふわりと嬉しそうに微笑んだ。

「ヴィー、今度このステーキ作ってみるから試食、協力してくれる？」

「っ勿論だよｖｖｖ」

でも、俺海咲の好みの味付けの方が良いなぁ～と甘えると、じゃあ両方作る！と可愛く握り拳を上下に振る姿に、可愛過ぎるよｖｖｖと抱きすくめた。