指導理念 〜キリストとマリア〜 ページ9
勇利は、ステンドグラスを背に立つヴィクトルに綺麗だ、と目を細める。
彼の銀髪も白皙の美貌もアイスブルーの瞳も触れる事が怖い位だ。
その横で、微笑みを湛えて見上げている海咲は、逆に手を伸ばしたくなるほど慈愛に満ちている気がする。
(あ、ちがう。お母さんって感じなんだ)
相手を受け入れ良い所は褒め、してはいけない事は諭し、成長を促し見守る。
理想の母親だと、母親に強い憧れのあるヴィクトルが自分だけの母親が欲しくて手を伸ばした。
(だけど、海咲ちゃんはお母さんじゃないから)
優しくて、強かだけど、脆くて。
今まで気づかずに海咲に甘えて凭れ掛り過ぎていた事ヴィクトルの行動で悟った。
「海咲、愛しているよ」
「ぁうっ・・・・・あ、愛してる・・・よ？」
恥ずかしい！！と顔を覆う海咲に、海咲が『愛してる』って言ってくれた♪と喜ぶヴィクトルに苦笑する。
「日本人はシャイだけど、海咲はちゃんと言葉を返してくれるから嬉しいよ」
日本人は余り好きや愛しているって言わないもんね〜と苦笑する彼は、言わなくても通じるのはよっぽど心を曝け出さないと伝わらないしね、と肩を竦める。
「恥ずかしくて顔が熱い・・・・」
「ふふ、食べてしまいたい位真っ赤なリンゴみたいだ」
可愛いよ、と甘い言葉を注ぐ彼に勇利は確かに不安だよね、と目を伏せる。
彼の言葉に委縮し、ヴィクトルから離れるという選択肢を容易く取ってしまいそうで。
負の言葉を上書きする様に言われた言葉を否定するのではなく、愛の言葉で汚れを濯ぐ様に海咲の負の記憶を洗い流そうとしている彼を見つめる。
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若桜(プロフ) - 樹さん» お待たせしましてすみませんでした。お陰様でラストまで辿り着けました！なるべく更新出来る様に頑張ります！！ (2018年3月20日 22時) (
レス) id: 11f532c383 (このIDを非表示/違反報告)
樹 - 本編終了おめでとうございます。そして、リクエスト書いてくださってありがとうございます。これからも毎日更新していないか覗きに来ますので、作品楽しみに待ってます。 (2018年3月20日 10時) (レス) id: 8e6b7bcff3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：若桜 | 作成日時：2018年3月19日 21時
