愛しのキキーモラ 13 【ヴィクトル・ニキフォロフ】 (ページ3)

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恋人　⑥ ページ3

こんなところに居た！と叱られたクリスはやぁ！と笑う。

「遅かったね」

「遅かったねじゃないだろう・・・・」

また食べもしないのに甘い物頼んだりして！と言われこれはヴィクトルが頼んだものだよ、と苦笑する。

「こんなに？」

「こんなに」

彼女に食べさせたいからって、頼み過ぎだよね～と笑えば、振り返った彼が大きく目を見開く。

「彼女・・・海咲か？」

「そう、ヴィクトルの奥さんだよ」

やっと、って感じだよねぇと笑うクリスに、彼は眉を顰める。

「君を責めては居ないよ」

「そうか」

さ、帰るよ、と手を引かれたクリスは立ち上がると、ステファンに手を振る。

「またね」

「また」

ひらりと手を振る彼が、笑いながらスマホで三人の動画を撮るのを悲し気に見たクリスに、彼は目を伏せる。

「何時も迎えに来るのが早すぎるよ」

「心配だったんだよ」