転生オタクは今日も推しが尊い【呪術廻戦】

転生オタクはモブを目指そうと思う。 ページ5

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『うーん』


私は鏡を前にしてうなっていた。


鏡には、根本から毛先にかけて黒から藍色にグラデーションがかかった髪に、エメラルドグリーンの瞳、ぱっちりお目々に薄い唇というお人形さんのような子が映っている。

お察しの通り、今世の私の容姿である。


表現からわかってほしいが、顔面がめちゃくちゃいい。




私は、鏡に映る自分を見て腕を組んだ。
鏡の前の私と同じように腕を組んでこっちを見てくるお人形さんもとい私。



『ふむ。これが"てんせいとくてん"というものか』



漫画ってすげぇ。その一言にすぎる。






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呪術廻戦の世界(仮)だと分かったからには、今がいつか知ることが重要だ。そもそも虎杖が両面宿儺の指を食う前なのか食った後なのか……。

確か原作開始時は2018年だったはず。

さすがに月や日付といった細かいところまでは分からない。

居間にあるカレンダーを背伸びしてよく見たところ、1994年という数字の羅列が目に入った。


2018にかすりもしていないその年に頭を抱える。


せっかく呪術廻戦の世界に来て、呪霊も見えるって言うのに原作はお預けだとでもいうのか……。


『どうすんのもう！
これじゃあ原作始まった頃には私29歳じゃ……ん……』


いや待って。
29歳……？嘘でしょ……。


『五条悟と同い歳……？』

原作開始時に五条悟と同い年ということはもしかして……。



さしすの高専時代拝めるってこと！？



余談だが、私の前世の最推しは家入と夏油と五条だ。まあネットで騒がれているさしす組である。

特に五条悟。

原作で目隠しをとった時の衝撃は半端なかった。あの脅威の顔面の良さ、からの今は見る影もない高専時代の荒れっぷり。

あれで惚れないわけがなかろうと首をヘドバン並に縦振りできるほどの最推しの中の最推しである。



えむり死ぬ。
推しの成長過程見たすぎる。高専時代拝みたい。


なんて、私利私欲にまみれた考えをした結果、



『もぶとしていきよう！』



ということになった。

よく考えたらモブが１番手っ取り早く３人を観察……げふんげふん、見守ることができる。


今のうちから呪霊見えるかつ呪霊を祓えるとか高専に入学出来ないわけが無い。


オタクとして、推しに会えるという機会を目の前に浮かれて小躍りしていれば、盲目になりすぎていたのか家の柱に思い切りおでこをぶつけた。




ぬおおおお痛いいいいいいいい！

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