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インターホンを鳴らし、とっさに逃げようとする甚爾くんの襟首を掴む。
ジト目で甚爾くんが見てくるけどガン無視した。
『久しぶり〜津美紀ちゃん、恵くん』
「Aさん！久しぶりです！今日は連れの方もいっしょ＿＿＿＿＿」
ふおぅぅ、尊いぃぃぃぃ……じゃなかった。
一目甚爾くんを見て言葉を詰まらせた津美紀ちゃん。
チラッと甚爾くんを見れば、気まずそうに目をそらしていた。お前それでも父親か。
言葉をなくしている津美紀ちゃんに、恵くんが不思議そうに首を傾げる。
あ、そっか。津美紀ちゃんはかろうじて覚えてるけど恵くんは覚えてないんだったか。
『津美紀ちゃんは覚えてるかな？恵くん、君たちのパパだよ。この顔面詐欺の育児放棄クソ野郎は』
「おい」
「ぇ、これが親父？」
『うん。君たちのパパ。そこら辺に落ちてたから拾ってきたの』
「落ちてもねえし拾われてもないけどな」
ちょくちょく甚爾くんの弁明という名のツッコミが入ったけど呑み込みの早い恵くんはすぐに理解してくれた。
いやあ、今時の子賢い。
「と、とりあえず中に……どうぞ」
優しい津美紀ちゃんは私たちを家の中に入れてくれた。
甚爾くん……君と違って優しい子に育って良かったね……。
私感激……。
「おい、何か失礼なこと考えてるだろ」
『いんやあ、全然』
口笛を吹いて誤魔化そうとしたけど、私口笛吹けないんだった。残念なことに出るのはヒョロヒョロと変な音だけ。
恵くんに変な目で見られて泣いた。
『まあじゃあ改めて。
君たちのパパの甚爾くん。そこら辺うろついていたのを拾ってうちで飼ってたの』
「ほう」
『いやもう、最初は大変でさ？こんなんじゃん？家の人にもとの場所に帰してこいとか言われてさ〜。私が飼いたいってごねてやっと飼ってもらったんだ』
「おい」
津美紀ちゃんは何故か「すごい……」という称賛の眼差しを送ってくる。恵くんは死んだ目をしていた。
『単刀直入に言うと、
パパと一緒にうちで暮らさない？』
ずっと考えていたことだ。
育児放棄するダメな父親。しかし今は私の手のひらの上。子供ごと引き取ってしまえば話しは早い。
それに、本当は死ぬほど曲げたくない原作だがこの世界に来て、漫画なんかじゃなく本当に生きている同期を、皆を、救いたい。
そう思ってしまった。
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おかず(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます。本当に励みになります！続編も合わせてお楽しみください (2022年12月19日 20時) (
レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白いです…!!夢主ちゃんの心境に共感の嵐で雨あられ(は？)続編是非とも見たいです！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2022年12月16日 20時) (レス) @page40 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
おかず(プロフ) - マリオットさん» 大好きだなんて、凄く嬉しいです！ありがとうございます。更新頑張ります！ (2022年11月20日 19時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
おかず(プロフ) - 一条ルナさん» 本当ですか？そう言って貰えると幸いです！今後もどうぞお付き合い下さい (2022年11月20日 19時) (レス) @page38 id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一条ルナさん» 私もです。一条ルナさん！てことで作者様、需要あるのでよろしくお願いします！！私、この作品大好きなので。 (2022年11月19日 15時) (レス) @page36 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ | 作成日時：2022年8月19日 16時
