転生オタクは今日も推しが尊い【呪術廻戦】

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『おててあらってくるね』


とりあえず外から帰ってきたのだし手洗いうがいをしよう。流行っていた某ウイルスのせいか、染み付いてしまったものだ。

この世界ではないようだけど、風邪対策に越したことはない。

▽▽▽




それにしても、ここどこなんだろ。


長い廊下を歩きながら考える。
家の中の構造は今世の記憶にあるため把握済みだ。

少なくとも令和の日本とかじゃなさそう。
異世界とか？？


ふと考えついたものを自分の中で首を振って却下する。


いやあないないな＿＿＿＿＿




呑気にそんなことを考えながら、縁側の方を見た。

晴れやかな日光の下、生える草木の柔らかな温かさに似合わない、醜悪な姿のナニカがそこにいた。


な、なんかキモいの……いるっ。




「ｺｫﾁｨ……ｺｯﾁｨｵｨﾃﾞｪｪｴｴ」




なんて、何重にもなったような気味の悪い声が私を誘う。
朗報、私、人生初ナンパに会う。



なんて面白おかしく頭の中で変換している間にも、ゆったりした動きでこちらへと歩み寄ってくるそれに、私は訳も分からず拳固める。



『ごめん！
あなたみたいなの、タイプじゃないんだよねっ』



とりあえず殴った。

最悪泣き叫んで叶内を呼ぼうと思っていたけど、５歳児の弱々しいパンチでソイツは消えた。



今のヤツ、なんだか既視感があるな。

つい最近どこかで同じようなものを見たような。そう、白黒の、紙面で。


『え、あ、呪術廻戦……？』


確かにそれは漫画の中でみたものと似ていた。

先程頭をよぎった異世界という可能性が有力候補として浮き上がる。


異世界っていうか。


もしかしてここ……






『呪術廻戦の世界……？』

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